松本真理子 MATSUMOTO Mariko 博士(心理学)

名古屋大学・心の発達支援研究実践センター、教授

■ 学歴
名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期修了

■ 取得学位
博士 (心理学)

■ 現在の専門分野
児童・思春期臨床心理学

■ 現在の研究テーマ
現在取り組んでいる研究テーマは大きく次の4つに分けられます。
第1のテーマ:子どもの臨床心理アセスメントに関する研究

特に,ロールシャッハ法や描画法など投影法を用いたアセスメントに関する研究を行っています。言語能力の未発達な子どもにアプローチする手段として非言語的な媒介は、子どもの心への接近方法として極めて重要です。子どもにとってそうした非言語的表出は、アセスメントとしてだけではなく心理援助の手段としても有効な方法になります。子どものロールシャッハ法については、国際比較研究を通して日本人一般児童の心理的特徴を解明してきました。現在は院生とともに動的学校画や文章完成法、イメージ連想法などの国際比較研究と臨床事例研究を継続しています。


第2のテーマ:子どもを取り巻く環境と心の健康支援に関する研究

子どもに対する高福祉国家で有名なフィンランドの研究者と共同で小・中学校の学校環境と子どもの心の健康に関する国際比較研究を院生とともに継続しています。子どもの心の健康にとって家庭と学校は大きな影響を与える環境です。どのような環境が子どもの健康な心の成長にとって大切なのか、そして臨床心理学はどのような支援ができるのか、ということを検討しています。今後はヨーロッパ・アジア圏他国との比較研究も計画しています。


第3のテーマ:心の減災心理教育のプログラム開発

名古屋大学減災連携研究センターとの連携研究です。近い将来に発生することが予想されている東海・東南海・南海地震に備えて、心の備えのための心理教育授業を開発し試行実践研究を院生とともに行っています。これは心の減災というストレス対処のみでなく、自己回復力、自尊感情の向上や対人関係能力の育成に繋がるプログラムとして現在も継続開発中です。


第4のテーマ:発達障害児および発達障害学生の支援に関する研究

発達障害児の個別支援に関する研究は,これまで大学院での小学校特別支援学級における実習を通して,実践活動を行ってきましたが,今後は,モンゴルにおける発達障害児支援についてモンゴルの研究者との共同研究を発達障害児支援プロジェクト(発達心理精神科学教育研究センター)とともに進める予定です。また発達障害学生については本学学生相談室臨床心理教員とともに,本学学生支援の一環として進める予定です。


以上の研究を統合することによって、子どもの心の健康を支え、子どもの未来に少しでも貢献できることを願って、日々研究・実践を続けています。

主な著書(分担執筆含む) 2005年以降

1. 小川俊樹・松本真理子 編著 2005 子どものロールシャッハ法. 金子書房.

2. 松本真理子 編著 2005 うつの時代と子どもたち 現代のエスプリ別冊. 至文堂.

3. 川瀬正裕・松本真理子・松本英夫 2006 心とかかわる臨床心理-基礎・実際・方法‐第2版. ナカニシヤ出版.

4. 松本真理子・川瀬正裕・丹治光浩 2008 これからを生きる心理学‐出会いとかかわりのワークブック‐. ナカニシヤ出版.

5. 松本真理子 編著 2008 子育てを支える心理教育とは何か. 至文堂.

6. 松本真理子2008 発達心理学からみた投影法(分担執筆,小川俊樹編 投影法の現在) 至文堂.

7. 松本真理子 2009 10章心理検査 (分担執筆,斉藤万比古編 子どもの精神病性障害‐統合失調症と双極性障害を中心に‐) 中山書店.

8. 松本真理子 2009 3章 性における課題 (分担執筆,橋本和明編 発達障害と思春期・青年期 生きにくさへの理解と支援)明石書店..

9. 松本真理子・森田美弥子監修 2009 子どものロールシャッハ反応‐形態水準と反応内容‐. 金剛出版.

10. 松本真理子  2010 8章 子どもの投影法(分担執筆,平木典子・稲垣佳世子・斎藤こずえ他編 児童心理学の進歩) 金子書房.

11. 松本真理子・金子一史 編著  2010 子どもの臨床心理アセスメント‐子ども・家族・学校支援のために‐. 金剛出版.

12. 松本真理子 2011 子どもを支援するプログラムとしてのチーム援助 児童心理No.927 金子書房

13. 松本真理子  2011 子ども理解を深める「心理アセスメント」 児童心理 臨時増刊No.942 金子書房 1-11

14. 松本真理子 2013 子どもとともに歩むということ-子どもの語りを受けとめる-(分担執筆,後藤秀爾監修、永田雅子・堀美和子編 “いのち”と向き合うこと・“こころ”を感じること) ナカニシヤ出版).

15.松本真理子 2013 20章心の問題を抱える子どもの援助に向けて(分担執筆,速水敏彦 編 教育と学びの心理学 基礎力のある教師になるために) 名古屋大学出版会.

16. 松本真理子、Keskinen.S 編著 2013 フィンランドの学校環境と心の健康~. 子どもにとって大切なことは何か~ 明石書店

17. 石隈利紀・松本真理子・飯田順子(監訳) 2013 世界の学校心理学事典. 明石書店.

18. 松本真理子・森田美弥子・小川俊樹 2013 児童・青年期臨床に活きるロールシャッハ法  金子書房

松本研究室の博論・修論の研究テーマ(一部)を紹介します。

・ひきこもり傾向児の心理的特徴の解明とその支援 -文章完成法を中心に-

・小中学生のKSDにおける臨床的有効性に関する研究

・気になる児童の自己イメージに関する研究-IAMを用いて-

・気管支ぜんそく児の過剰適応と母子関係に関する研究

・特別支援教育を受ける児童の主観的well-beingに関する研究

・いじめに対する第三者の仲裁・援助行動に関する研究

・睡眠-覚醒パタンの形成プロセスに関する研究

・児童における空想の役割

・両親の夫婦間葛藤が子どもに及ぼす影響

・音楽が幼児の描画における自己表現に及ぼす影響

・居場所に求める機能および所属グループの機能が精神的健康に及ぼす影響