森田 美弥子(もりた みやこ)

名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授

「こころ」は、とらえどころのない不思議なものですが、「心が弾む」「心が痛む」「心細い」「心掛ける」等々の言葉があるように、私たちの状態や面持ちをあらわしています。その人の行動や生き方を通して「こころ」の動きや特徴をとらえることができます。

私は臨床心理学の実践や研究の中で多くの人の「こころ」と出会う仕事をしています。これまで、単科の精神科病院、大学や専門学校の学生相談室、臨床心理士養成大学院附属の心理相談室などで、心理臨床実践をしてきました。専門は臨床心理査定学です。「臨床心理査定(アセスメント)」とは、「臨床心理学的援助実践のなかで、個人や集団を理解するために、面接・検査・観察といった方法を用いて行う関わり」のことです。人が人を100%知り尽くすことは不可能ですが、理解しようと努力することで近づくことができます。理解したことをフィードバックして共有することも重要です。だからアセスメントは「関わり」だと考えています。

「こころ」に接近するためのアセスメントのあり方について様々な側面から検討し、それを大学院生や若い心理臨床家たちに伝えることも最近は重要な仕事となってきました。もちろん、私自身も一生学び続けていけたらと思っています。